【今日の記事のキーワード】
・管楽器の譜面の選び方
・無理せずに自分の一番理解しやすい書き方を選ぶ
・訓練すれば全てを徐々に読めるようになる
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こんにちは。ラッドミュージックスクール学長瀬戸です。
僕は職業柄譜面を大量に作る。アレンジだったり作曲だったりパート譜だったりビッグバンド用譜面だったりレッスン時に使用する資料だったり、それはそれは大量な作業が発生する。
今日は特に管楽器の【あるある】譜面作成法を紹介!
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皆さんもご存知の通りジャズバンドには様々な管楽器が存在する。サックス、トランペット、トロンボーン、クラリネット・・・あげるとキリがない。
僕はそれらの管楽器のためのアレンジなどをするときにはその楽器に合った特殊な「移調譜面」を作成する。アルトサックスだったらEbに変換し、テナーサックスだったらBbに変換、などなど。これは知識と経験があれば決して難しいことではなく、チョイチョイっと譜面を作成できる。
しかし
問題はレッスンで使用する理論やアドリブ説明用の楽譜である。
グループレッスンなどでは様々な管楽器やピアノ、ギターなど多くの楽器が同時にアドリブレッスンを受講するのである。
よって・・・
全楽器の調やレンジ(楽器の演奏可能な音の高さ)を全て考慮しながら資料を作成せねばならないのである!w
さらに資料を移調する際には単にBbやEbに転換すりゃよいってモンじゃない。ご存知の通り吹奏楽を経験した管楽器の方々は音符やコードの「呼び方」はコンサートキーで呼び、実際の音符の「書き方」は移調の書き方でやる方が圧倒的多数。よって下記のような複雑な組み合わせの譜面が必要となる。
①コンサートキー(C譜面)
②Bb譜面(トランペットとかテナーサックスとかクラリネット)
③Eb譜面(主にアルトサックスやバリトンサックス)
④BbーC譜面(オタマジャクシはBbだが、コードネームはCで記載)
⑤EbーC譜面(オタマジャクシはEbだが、コードネームはCで記載)
⑥その他特殊(トロンボーンも様々な要望がある)
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きっとピアニストやギタリストやボーカリストにとっては??????とハテナマークが頭を飛び交うであろう。そう。管楽器は
めんどくさい
のである。例えばコードもコンサート読みか移調読みによって読むスピードが天国と地獄ほどの差になる。だから決して無理せずに自分が一番読むスピードが上がる組み合わせの譜面をカスタマイズすれば良いだけの話。俺は生徒さんに必ず移調バージョンも見せてあげて、どちらが効率的か確かめてからレッスンをするようにしている。
近年ではPCで譜面を作成し、1発でパズルをとくように好きな組み合わせの譜面を工夫して作成できるので重宝している。
ちなみにMuseScoreっていう無料の神アプリを使用してます。これ、オススメ。
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ちなみに俺はそもそもC(コンサート)譜面しか読めなかった。サックスよりもピアノを先にやってしまったためにEb譜面が一切読めなかった。が、上記のような譜面を永遠と仕事で見続けている間に自然とどんな譜面でも読めるようになった。時間はかかったが結局「慣れ」が全てってことなのかな・・・?
管楽器のみなさん、無理せずに自分の好きな組み合わせの譜面をカスタマイズしてみてはいかがでしょうか!!
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■著者について
株式会社Radwave代表取締役、ラッドミュージックスクール学長。ジャズを本気で教えて15年。
幼少期より海外で育つ。バークリー音大卒。ジャズに魅了され30年弱。映画音楽作曲やレコーディングなどを含め、多岐の音楽活動に携わる。ジャズが演奏できるようになる一歩一歩の自己成長プロセスに感動し、それを伝えるべくラッドミュージックスクールを立ち上げる。耳が良すぎてジャズ理論はほぼ全て耳から習得。特技は他人が演奏したフレーズを1音残らず瞬時に分析し、何故その音たちを演奏したのかを瞬時に分析する力。現在は日本とマレーシアを行き来しながら音楽活動を行う。ちなみに生業の一つとして芸能界の英語通訳もしている。好きなものはビールとドリアンと未知へ切り込む冒険心。
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