ジャズアドリブ超基礎⑧: Moanin’耳コピと矛盾

ジャズアドリブ
スポンサーリンク

今日の記事のキーワード】
・音に違和感を感じましょう
・正義の刃は捨てろ〜〜

========

   学長瀬戸で〜す

こんにちは。ラッドミュージックスクール学長の瀬戸郁寛です。

今日はみんなが大好きジャズスタンダードの黄金曲・Moanin’のお話です。
まずはYoutubeで聞いてみましょう。下の写真をクリック!


Art Blakey and the Jazz Messengers/Moanin’

======

さて。いきなりですが世の中に存在しているMoanin’の譜面は1コ残らず全部間違ってます。笑

まぁ間違っているっていうかなんていうか・・・Art Blakey and the Jazz MessengersのMoanin’というアルバムで初収録された曲なんですけど、なんていうか【メロディーのいち部分があまりにも他の曲にはないメロディーとリズムの組み合わせなモンで一般的に演奏されない組み合わせであり、譜面を書く人々がめんどくさくて省略・アレンジしちゃった系】の間違いですね。だから具体的には間違いっていうよりも簡略アレンジしてしまっている、というのが正しいかも。

もしくは、なんかちょっとオリジナルのレコーディングでも曖昧なリズムと音なので全てを足して2で割った系のアレンジっすね。www

それでは早速その間違いの部分を。

=======

次に赤丸で囲んだ部分が全部で8回出てくるので、全ての部分を耳コピしてみましょう!
(あくまでも聞こえたままに耳コピしました。休符などもなるべくコレが一番近いだろうという物を、一般的理論を無視して耳コピしてみました。あくまでも自己満だぜよ!)

注:16分休符なのかは極めて怪しいが、これが一番近いリズム。

16部音符なのかどうかは極めて怪しい。3連譜?あと、一度Cまで音が上がっているようにも聞こえるけど、音が小さすぎて判別不能。
16分休符なのかは極めて怪しいが、これが一番近いリズム。

僕的にはA-2-1A-2-2B-1&2が極めて正しい音とリズムだと思ってます〜。なぜならホーンズが2本ぴったり合っている部分がこれらの回なので・・・。

トランペットのリー・モーガンもテナーサックスのベニー・ゴールソンも演奏中に若干3連譜や16分音符を演奏する時に音が濁ってしまっている部分もあるんですけど、まぁ多分これらのパターンが一番正しいんじゃないかなぁと思います。

ピアノのボビー・ティモンズはそもそもアレンジしながら演奏してるのでなんとも・・・。

======

さて。セッションで演奏する時はみなさんどんなリズムでやってますか?

市販されてる譜面を見ながらやるのか、それとも耳コピした感じで演奏するか・・・。フロント楽器が複数いてユニゾンでテーマを演奏する時には演奏前に独りでニヒニヒとしてしまいまふ。笑

まぁ独りでフロント楽器を演奏する時は耳コピした感じで演奏するんですけど、フロント楽器が複数いる場合はあえて何も確認せずやることが多いかな・・・だって正義の刃を振りかざして

「ここのリズムと音使いは間違ってるけどどうしますか?」

みたいに学級委員長じゃないんだからいちいち正義の刃でぶった切る必要も全くなく、皆で楽しくその場で音を使って合わせて行く方が楽しいんで・・・w

臨機応変にできるとよいですね〜!

=====

このような具合でコード進行も含めて様々な譜面が存在し、様々な解釈がありますね〜。この曲を演奏したことのある方ならばわかると思うんですけど、それよりも何よりもエンディングをどのようにまとめるかの方が真面目に考えるべき曲!笑 是非一度セッションでやってみると勉強になるかもですネ。

そして夜な夜なニシニシしながらこれらの矛盾を紐解いてみるのもジャズの楽しみかもしれませんね!w
ちなみに僕はこのような矛盾が大好きで常時ウシシシって考えてます・・・

それではまた次回!

=====

【裏の宿題】

Moanin’を下記のライブバージョンでも聞いて、自分なりに耳コピしてみましょう〜。
https://www.youtube.com/watch?v=uKOoxgI_xfQ

■著者について

瀬戸郁寛(せとふみひろ)

式会社Radwave代表取締役、ラッドミュージックスクール学長。ジャズを本気で教えて15年。
幼少期より海外で育つ。バークリー音大卒。ジャズに魅了され30年弱。映画音楽作曲やレコーディングなどを含め、多岐の音楽活動に携わる。ジャズが演奏できるようになる一歩一歩の自己成長プロセスに感動し、それを伝えるべくラッドミュージックスクールを立ち上げる。耳が良すぎてジャズ理論はほぼ全て耳から習得。特技は他人が演奏したフレーズを1音残らず瞬時に分析し、何故その音たちを演奏したのかを瞬時に分析する力。現在は日本とマレーシアを行き来しながら音楽活動を行う。ちなみに生業の一つとして芸能界の英語通訳もしている。好きなものはビールとドリアンと未知へ切り込む冒険心。

コメント

タイトルとURLをコピーしました