ボーカリスト必見!キー(調)の決め方のコツ

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【今日の記事のキーワード】
・ライブとスタジオレコーディングは別物
・どうやれば最適なキーを見つけられるか?
・自宅でキーを決めるのは危険!?

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著者瀬戸郁寛丸写真
    学長瀬戸で〜す

こんにちは!

今日は曲のキーの決め方、特にボーカリストのキーの決め方に焦点を当てて考えてみましょう。

ボーカルマイク写真

僕はこれまでに膨大な数の作曲やアレンジに携わってきました。

ライブ用バンドアレンジ、映画音楽、管楽器アレンジ、歌モノ作曲などなど・・・膨大すぎて数え切れません。それに加えてレッスンで使用するアレンジ等を含めると毎日毎日譜面と戦う日々を送っております。w

今日はその中でも一番経験が必要とされるであろう、「ライブ用の曲の調(Key)の決め方」を語っていきたいと思います。まだライブ経験の少ない方々には特に読んでほしい内容です!

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なぜライブ用の楽曲が一番経験が必要であり、なおかつ重要なのか?理由は簡単。ライブをやる時には実際に生音で演奏するわけであり、決してレコーディングで個々の楽器や歌をバラバラに録音していくわけではないからです。(あ、もちろん口パクや楽器を演奏しているフリをするいわゆる「アテ振り」のライブは除いての話です。w)

そして特にボーカリストがいる楽曲、いわゆる歌モノのアレンジには最新の注意を払います。

これまでに幾度となく現場(ステージ上)でボーカリストの声がかき消されて、ボーカルが聞こえづらいシチュエーションをもう何万回見てきたことだろう、、、、。

お客さんは「ボーカルの声聞こえないなー」みたいな顔でいるのがヒシヒシと伝わってくる。

みなさんもこんな経験一度や二度はあるでしょう。いや、もっとあるでしょう。

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ボーカリストの方々がキーを決める時は、ほぼほぼご自宅でギターやキーボードの前に座ってキーを決める方がほとんどです。その結果、自宅で弾き語り的にキーを決めると、全般的にキーが低く設定されてしまうことが多いです。-3、もしくは-4のキーの高さで決めてしまうことがかなり多いのです。下手すると-6とかもよくあります。男性用のオリジナルキーをそのまま女性ボーカリストが歌うなんてことも多々見かけます。(良し悪しは除いても)

ロックなど、バンド全体の音量が大きな楽曲では特に致命的

理由は単純です。楽器一つだけで歌を歌うと、小さな声でも十分「成立しているように」聞こえてしまうのですね!特に自宅だと小さな声で歌うのでさらにそれが加速してしまう。

その結果、実際にスタジオでリハーサルなどに入るとドラムやベースやギターなどの生音に負けてしまい、思うように低音部分の発声の音量が小さすぎて上手くいかず・・・結果的にボーカルがほぼほぼ聞こえない落とし穴に落ちてしまうんですね。

リハーサルの時に「やっぱりキーが低かったから+3でお願いします」って言えればよいんですけど、既に楽器隊が練習してきてしまっているが故になかなか言いづらい。こんな状況を何度も何度も何度も何度も見てきました。そしてそのままライブ本番に突っ込んでしまう、、。

本来リハーサルで万が一キーが合わなかったら全体のバランスが取れるキーにその場で変更するのが正しいのでしょうけれど、メチャクチャ難しいホーンズのラインとかが既に入ってしまっている場合、その場で移調して演奏するのはほぼほぼ不可能。(プロの演奏家だって無理です!)なので一度家に持ち帰って再度練習して、もう一度リハーサルに臨む必要が出てきますね。しかしどんなライブの現場でも何度も何度も事前のリハーサルに入れるのはほぼ状況的に不可能な場合がほとんどです。(特に大人は時間が取れないですからね・・・)



ということでこれらの状況を避けるためのアドバイスは、ご自宅でキーを決める時に自分が思っているキーよりも高めに設定するということがおすすめです。こればっかりは経験がモノを言う分野ですので、どのくらいの高さに設定すればよいのか、というのは経験でしかわからないと思いますので、是非みなさんそれを頭に入れた上で歌モノのキーを決めていきましょう!そして幾度となく失敗を繰り返して、バンド全体の音量などのバランスが完璧になるように実験してみてください~。

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しかし!レコーディングの場合は違います。全く話が別です。

基本的にレコーディングにおいては個別に各楽器を録音していくので音量の件は別問題になります。ボーカリストがささやくようないわゆるウィスパーボイスを使っても大丈夫です。息の音まではっきり聞こえるようなBreathyな声で囁いても、ミックス作業でなんとでもなります。製品(完成品)になる時にはなるべくアーティスティックなセンスを全面に押し出したいでしょうから、その場合はどんなキーでもぶっちゃけ大丈夫です。声が極小でも大丈夫です!w

いわゆるスタジオで録音された楽曲と、ライブで歌うバージョンのキーが違う!という楽曲をみなさんも何曲も知っていると思います。それはそんな理由から来ることが多いのですね〜。

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さて、最後にジレンマを。

アレンジする時、難しいキーは避けた方が良いのか?という最大のタブーを語りましょう。

難しいキー:B、F#(Gb)、など。

う~~~~ん、こればっかりはなんとも、、、。

人によって意見は千差万別。正解はもちろんありませんね!

ちなみに僕がアレンジをする時には、、、絶対に100%それらのキーを使いません。何があっても使いません。特にジャズやアドリブソロ(即興が求められるパートが多い楽曲等)をふんだんに入れ込む楽曲をライブで行う場合は、全ての楽器にとって平均的に慣れているであろうキーでアレンジします。

だってライブ時にミュージシャンん全員が気持ちよく演奏した方がサウンドの仕上がりが絶大に良くなりますからね!

例えばBの曲だったら絶対にC、もしくはBbにします。そうすることによって全楽器のサウンドが格段に上がって完成度が一気にスカイロケット状態!www

まぁその点も個人差があるでしょうから、みなさん経験から研究してみてくださいませ!

それではまた次回の記事で。

■著者について

著者瀬戸郁寛の写真
瀬戸郁寛(せとふみひろ)

株式会社Radwave代表取締役、ラッドミュージックスクール学長。ジャズを本気で教えて16年。
幼少期より海外で育つ。バークリー音大卒。ジャズに魅了され30年弱。映画音楽作曲やレコーディングなどを含め、多岐の音楽活動に携わる。ジャズが演奏できるようになる一歩一歩の自己成長プロセスに感動し、それを伝えるべくラッドミュージックスクールを立ち上げる。耳が良すぎてジャズ理論はほぼ全て耳から習得。特技は他人が演奏したフレーズを1音残らず瞬時に分析する力。最近はジャズ以外のレコーディングやライブに多く携わっている。現在は日本とマレーシアを行き来しながら音楽活動を行う。海外にて各種音楽賞を受賞しまくる。ちなみに生業の一つとして芸能界の英語通訳もしている。好きなものはビールとドリアンと未知へ切り込む冒険心

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